韓国時代劇「王女の男」は韓国KBSで2011年に放送された作品です。朝鮮王朝時代第5代王文宗の弟、首陽大君が起こしたクーデター「癸酉靖難(ケユジョンナン)」という史実をモチーフに敵同士になってしまった二人…実際の史実と架空のラブストーリーを絡めたという斬新な内容で、心がギュッとなるようなラブストーリーと時代劇ならではの壮大な権力争いを堪能できる作品です。
「王女の男」について「どんな俳優さんが出ていたっけ?」 「主演のパク・シフってほかにもたくさん韓国ドラマに出てるけどどんな作品?」など、歴史と絡めたキャストの整理と簡単なエピソードも交えてお伝えしようと思います。
「王女の男」キャスト紹介
パク・シフ
穏やかでひょうひょうとした遊び人の宗学講師で王女になりすましたセリョンと恋に落ちますが、家同士の争いなど壮絶な運命に巻き込まれるキム・ジョンソの息子、キム・ユスを演じています。
「一枝梅」以来続けていた乗馬の腕前や華麗にこなすアクションシーンにも注目です。前半の穏やかな「完朝男(完璧な朝鮮男子)」と後半になるにつれて闇を抱える「ダーク・ユンス」とふたつの魅力が話題となりました。
役名 | キム・スンユ |
主な作品 |
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ムン・チェウォン
縁談の相手に興味を持ち、いとこの敬恵王女のふりをしてキム・スンユと出会い恋に落ち、避けられない運命に巻き込まれていく首陽大君の娘を演じています。キム監督は「制作段階でセリョン役は彼女しか考えられなかった」と言います。
無邪気なおてんばのアガシ(お嬢さん)から、命がけで愛する人を守る強い女性を演じ、ドラマでは俳優さんが注目されることが多いなか「セリョン煩い」という社会現象を起こしたほど視聴者を虜にしました。
役名 | イ・セリョン |
主な作品 |
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ホン・スヒョン
第6代王端宗の姉で、いとこであるセリョンとは仲がよかったがスンユをめぐり溝が生じ、自身も首陽大君のクーデターにより王妃から奴婢となってしまう運命に翻弄される敬恵王女を演じています。
同じ「強い」でも王女の気高い傲慢さ漂う強さと、チョン・ジョンと結婚し、夫に愛され周りの人々と接する中で生まれた真の強さを見事に演じ切りました。撮影中に交通事故で肋骨にひびが入るというアクシデントのなか、体を張った演技を続けた芯の強い女優さんです。
役名 | 敬恵王女 |
主な作品 |
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ソン・ジョンホ
正義感溢れ、竹を割ったようなまっすぐな性格で学者シン・スクチェの息子。スンユ、チョン・ジョンの親友の武官を演じています。
モデル出身で今まで現代劇で活躍していた彼にとって初の時代劇作品です。とにかく難しかったと語るように、この作品の中で「シン・ミョン」は友情と愛情と家の間でもがき苦しむ難しい役だったと思います。
役名 | シン・ミョン |
主な作品 |
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イ・ミヌ
没落した名家の息子で明るい性格ですがだらしないところがあり、親友のスンユ、シン・ミョンに助けられていましたが、敬恵王女の夫に選ばれたことで運命が急展開するチョン・ジョンを演じています。
子役からスタートして芸歴30年余りのベテランながら、視聴者の心にぐさりと刺さる牢のシーンではイ・ミヌ自身も壮絶な苦しみを感じながら撮影に挑んだそうです。初登場シーンでは借金取りに追われていた頼りない彼とは全く別人の姿…素晴らしい俳優さんです。
役名 | チョン・ジョン |
主な作品 |
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イ・スンジェ
「大虎」という異名を持つスンユの父。文宗から信頼され幼い王を任されるほどでしたが、首陽大君の陰謀によりスンユを守るため職を退く重臣を演じています。
韓国では知らない人はいない「国民的俳優」で、日本でも韓国ドラマファンにはおなじみの名優です。時代劇ならではの厚みを持ったフュージョン時代劇を伝統時代劇に近い作品に仕上げたのは彼とキム・ヨンチョルの共演のおかげだと言っても過言ではないでしょう。
役名 | キム・ジョンソ |
主な作品 |
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キム・ヨンチョル
セリョンの父で娘を愛する優しい父親でありながら王座を狙う野心家で「癸酉靖難(ケユジョンナン)」を企てた第5代王文宗の弟を演じています。イ・スンジェと同じくらい韓国ドラマファンにはおなじみの名俳優です。
役名 | 首陽大君/のちの世祖 |
主な作品 |
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チョン・ドンファン
病気がちで野心家の首陽大君から幼い世子や娘である敬恵王女を守りたい一身で策を講じるも阻止され…死期が迫る朝鮮王朝第5代王文宗を演じています。
役名 | 文宗 |
主な作品 |
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ノ・テヨブ
敬恵王女の弟でわずか11歳で第6代王として即位するも首陽大君の企てにより後ろ盾を失い退位を余儀なくされる世子を演じています。姉に頼ってばかり、大人の言いなりになっていた世子が王となり首陽大君に「相談しているのではない」と王命を言い渡すシーンは個人的に思わず拍手したくなりました。
役名 | ホンウィ/のちの端宗 |
主な作品 |
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イ・ヒョジョン
シン・ミョンの父で文宗とは若いころからの友人。学者は政治に参加できない中立な立場を文宗に信頼されていましたが、首陽にそそのかされ裏切り、シン・ミョンの運命さえも巻き込んでいく学者役を演じています。
役名 | シン・スクチュ |
主な作品 |
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イ・ヒド
端宗の後ろ盾を次々と殺害、首陽大君のクーデターのために手段を選ばない策士を演じています。
役名 | ハン・ミョンフェ |
主な作品 |
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イ・ジュソク
詩文など優れた芸術の才の持ち主。兄である首陽大君から甥であるホンウィ(端宗)を守ろうとする安平大君を演じています。
役名 | 安平大君 |
主な作品 |
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ホン・イルグォン
文宗の意思を尊重し支援したため兄弟仲が悪化し、後に首陽大君暗殺を企てる首陽大君の弟を演じています。
役名 | 錦城大君 |
主な作品 |
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オム・ヒョソプ
スンユの上司で首陽大君が奪った王位を端宗に復位させようと密かに動き、スンユたちの友情を取り戻したいと願う宗学の長を演じています。
役名 | イ・ゲ |
主な作品 |
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ミンジ(チャ・ミンジ)
王族の娘とは思えないおてんばなセリョンに振り回され、ユン氏や首陽大君の目を盗んで協力する良き理解者である侍女を演じています。
役名 | ヨリ |
主な作品 |
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キム・ソラ
夫の首陽大君を支え、厳しく子供たちに接するも娘セリョンの恋心に心を痛める母親ユン氏を演じています。
役名 | ユン氏/のちの貞熹王妃 |
主な作品 |
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クォン・ヒョンサン
礼儀正しく父の残虐さを受け入れられないと思いながらも逆らえないセリョンの弟を演じています。
役名 | スン |
主な作品 |
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ソ・ヘジン
セリョンとは対照的で親を困らせることもほとんどない順応な首陽大君の次女を演じています。
役名 | セジョン |
主な作品 |
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ホ・ジョンギュ
父のキム・ジョンソを敬い、長男として家を支えるスンユの兄でアガンの父親を演じています。
役名 | キム・スンギュ |
主な作品 |
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カ・ドゥギ
控えめで芯が強く、クーデターで夫と義父が殺されるも、娘と一緒に生き延びるスンユの兄キム・スンギュの嫁、アガンの母親を演じています。
役名 | リュ氏 |
主な作品 |
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キム・ユンビ
スンユにこよなくかわいがられ、クーデターに巻き込まれたのち母と一緒にセリョンに助けられるスンユの姪を演じています。
心が痛くなるようなシーンが多い作品の中で唯一の癒しといっていいほどのあどけない笑顔と言動がかわいらしい天使のような子役です。
役名 | アガン |
主な作品 |
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キム・レハ
部下の策略にはまり、流刑地へ流される船の中でスンユと出会い沈没する船から一緒に逃げ出し、都に戻って負傷したスンユを助ける麻浦の侠客を演じています。
役名 | チョ・ソクチュ |
主な作品 |
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
主演のパク・シフ、ムン・チェウォンは、KBS演技大賞でともに最優秀演技賞、ベストカップル賞を受賞、敬恵王女を演じたホン・スヒョンも優秀演技賞とそれだけ素晴らしい演技を見せてくれた出演者たちです。パク・シフが出演した数々の作品の中でも、「彼が出た作品の中で一番!」というパク・シフファンの声も多いです。
また、こうしてキャストを振り返ると脇を固める名脇役、そして韓国ドラマといえばおなじみの重鎮たちの顔ぶれを見るとどれだけ豪華で贅沢なキャストだったか分かると思います。架空の切ないラブストーリーを演じた若い二人と、史実に基いた時代劇に不可欠な「重さ」を演じた名俳優たちの素晴らしい共演がよりこの作品を盛り上げました。
時代劇の面白さも胸が締め付けられるような恋物語も両方楽しめる素晴らしい作品のひとつです。ぜひ、何度も何度も見ていただきたい作品です。
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