【太陽を抱く月】あらすじ・登場人物まで徹底解説

韓国ドラマとひと言でいっても大きく分けて現代劇、時代劇と二つのジャンルに分かれます。はっきりファン層が分かれることも多いのですが、その両方のファンを虜にしたドラマのひとつが「太陽を抱く月」です。架空の時代が舞台になった作品ですが、おそらく朝鮮王朝時代前半の頃を題材としているのではないでしょうか。

幼い初恋を一途に貫く若い王と、過酷な運命を強いられた初恋の女性との運命の物語です。時代劇ドラマの醍醐味の政権争い、身分違いの恋、謀反…そして豪華絢爛な衣装や王朝の華やかさはしっかり押さえながら、大きなテーマは「運命の恋」そして呪いや巫女など幻想的な要素もあり、現代劇ファンも楽しめたのが大ヒットとなった要因だと思います。

また、最高視聴率46.1パーセントというドラマ界の歴史に残る記録をたたき出した理由は、その出演者の豪華さにもあります。キム・スヒョン、ハン・ガインのW主演で、その子役時代はヨ・ジング、キム・ユジョンという天才子役の二人。百想芸術大賞テレビ部門 「ドラマ作品賞」をはじめ数々の賞を受賞して話題が話題を呼び、日本でも人気を集めて今でも繰り返し放送されている大作です。

「太陽を抱く月」をもっと深く知りたい!もう一回見よう!と思ってる方に作品のあらすじや登場人物のエピソード、またこれから見るという方にも身分や時代背景など押さえておきたい見どころをご紹介したいと思います。

「太陽を抱く月」あらすじ

ヨヌ・フォンの物語。世子嬪(セジャビン)として将来を約束したふたり

王・成祖の時代。「高貴な運命を背負う」という予言のもとに生まれたヨヌ。科挙首席合格者の兄ヨムの晴れ姿を見に宮廷を訪れた際、隠月閣に迷い込み内官のふりをした世子フォンと出会います。物怖じしないヨヌに興味を持ったフォン、ヨヌへの想いがどんどん膨らんでいきます。

ヨヌは旼花王女の学友としてユン・デヒョンの娘ポギョンとともに宮廷へ。星宿庁の国巫ノギョンはひと目で運命を背負った子だと悟ります。

成祖はフォンと異母兄弟の陽明君がヨヌに想いを寄せてることを知り、大妃が世子嬪にしたいのはポギョンであることから先々を案じ、公正な世子嬪選考を行い厳正な審査の結果、ヨヌが選ばれます。

フォンとヨヌはお互い一目ぼれなので最初から気持ちは固まっていたわけですが、ライバルや親たちの陰謀や呪い…ふたりを取り巻く環境があまりにザワザワしていて、前途多難なふたりの笑顔が余計に心に突き刺さりました。

ユン・デヒョンら反フォン派がヨヌに呪術を使って殺害

政権を掌握するためユン・デヒョンの娘ポギョンを世子嬪にしたい大妃は、ノギョンに星宿庁の存続と引き換えにヨヌを葬るよう迫ります。ノギョンは仕方なく呪術をかけ、ヨヌは原因不明の病に倒れます。宮廷を追われたヨヌは実家であるホ家に戻りますが病は悪化するばかり。

フォンはヨヌに変わらない心を伝え「太陽を抱く月」と名付けた鳳箸を贈りますが、すでに自分の死を悟っていたヨヌはフォンに手紙を書きます。書き終わった頃に薬湯を持って父が現れ、ヨヌはそれを毒薬だと知りながら飲み、鳳箸を胸に抱いて息絶えます。

私まで幸せな気分にしてくれていたふたりが涙を流し、ヨヌに至っては「生きる力がもうない」とみてとれる表情が見てられなかったくらいです。ヨヌの父の心情は想像を絶する辛さだと思いますが、政治と呪術、この二つが結託してしまったらそれに利用される人々の幸せなんてあっという間に消し飛んでしまう、それが恐ろしくて悲しかったです。

ウォルとして再びフォンに出会う

助けるつもりで術をかけていたノギョンに助け出されたヨヌは全ての記憶を失っていて、名前も思い出せぬまま巫女として生きていくことになります。王座に就いたフォンですがヨヌを失って以来心を閉ざし、王妃になったポギョンに病を理由に営みも拒み続けます。

ある日、ヨヌはフォンの一行と偶然遭遇し、その姿を見たとたん涙が溢れます。そこに陽明君も居合わせていました。山林で迷いヨヌたちの家にたどり着いたフォンはヨヌの面影を重ね、月を意味する「ウォル」という名前を授けて去ります。その後、運命に導かれるようにフォンの「厄除けの巫女」となったウォル。

陽明君とも再会してしまいしたね。三角関係に記憶喪失、ライバルと「韓国ドラマあるある」の予感がしました。そして、出会いの時も今回の再会の時も黄色い蝶が出てきます。黄色い蝶は幸せを呼ぶと言われています。運命の出会いから再会、そして幸せへと導いてくれるといいなと思いました。

真相を追うフォンたち。ヨヌの記憶が戻る。

ウォルはフォンが必要なのは自分ではないと悟り宮廷を出る決意をしますが、手放そうとしないフォン。フォンはヨヌの死に疑いを持ち調べてきますが、真相を知っている内官は自殺し、関係者である尚宮もすでに殺されていてフォンはこの件で対立するユン・デヒョン一派が深く関わっていると確信していきます。

王妃との床入りが呪術により失敗に終わるのですが、ウォルが王に呪いをかけたと疑われひどい拷問を受けることになります。陽明君のおかげで死罪は免れますが、宮廷を追われることになります。
日食の日、フォンが天に祈る「求蝕礼」。太陽と月が重なるその時、ウォルはヨヌとしての記憶をすべて取り戻していくのでした。

王が太陽、王妃は月、フォンとウォルも太陽と月。幻想的な日食の日にふたりの運命も開かれるというファンタジー要素が見どころです。ウォルのために危険を顧みず駆け付ける陽明君が何とか幸せになれないものかと思うのですが、どうでしょうか…。

ウォル・フォン・陽明君 再び三角関係に

活人署でウォルと陽明君を見て嫉妬するフォン、わざと見せつける陽明君。
ウォルはウォルでフォンに本当のことを言えず、去って行くフォンの後ろ姿を見て涙を流します。

ノギョンから真実を聞いたウォルとヨヌであることを確信したフォンが、涙し抱きしめ合う姿を目の当たりにした陽明君…そこにヨヌが生きていることを知ったユン・デヒョンが放った刺客が現れます。
陽明君はその場からヨヌを連れ出し想いのたけを伝えますが、その愛情には応えられないヨヌ。追いついたフォンは陽明君に「兄上は、私を切れば王になれる」と言い、剣を渡しますが陽明君は弟を切ることはできませんでした。

とうとう、兄弟で刀を向けあうことになってしまって心が痛いです。王族の地位まですべてなくしても手に入れたいと思ってこのあるごとに守ってきた陽明君にとったら、幼い時もそして今も再び弟に取られるのはたまらないでしょうね。王位継承権がある陽明君のこれからの行動が見どころです。

ユン・デヒョン vs フォン

調査を終えたホン・ギュテから報告を受けたフォン。呪術に妹の旼花王女が関わっていることを知ります。ヨムと結婚したい一心で知らぬ間に呪術に加担したこと、処罰は受けるがおなかの子は助けてほしいと懇願されますが、真実を伏せたままではヨヌが王妃にはなれません。

フォンは、関わった者すべてを処罰することに決めますが、それを知ったユン・デヒョン一派は王の宣戦布告と受け止め、今度は陽明君に「一生、王の陰で生きるおつもりですか」と謀反をそそのかし、陽明君を反乱軍の長に祭り上げます。

ユン・デヒョンは、ついに大妃さえも暗殺し、陽明君を味方につけ動き出します。そして運命の日、反乱軍を従えた陽明君はフォンに剣を向けるのでした。

「もし過去に戻っても同じ道を選ぶ」と言い切った旼花王女に驚きました。結婚したいと駄々をこねて泣い幼い王女を思い出しました。陰謀や呪いなどには直接関係のないところで生きてきた陽明君ですが、どこまでも優しかった一途だった思いの行き先が気になります。しかし、ユン・デヒョンの悪知恵が怖いです…。

「太陽を抱く月」主な登場人物

ホ・ヨヌ/ウォル(ハン・ガイン/子役キム・ユジョン)

弘文館大提学ホ・ヨンジェの娘でヨムの妹。「高貴な運命を背負う」と予言されこの世に生まれます。13歳の時に兄の晴れ姿に見に宮廷へ行った際、フォンと出会って幼いながらも二人は恋に落ちます。一度は未来の王妃になる運命を約束されますが、ノギョンの呪術によって病に倒れ亡くなります。息を吹き返した時には記憶を失い、王の身代わりに厄を受ける巫女ウォル(月の意味)として王になったフォンと再会します。

イ・フォン(キム・スヒョン/子役ヨ・ジング)

成祖の嫡男で「太陽」の意味を持つ名前を受け、世子として育ちます。わがままでいたずら好きな面がある明るい性格でしたが、初恋の相手ヨヌを忘れられずポギョンを王妃に迎えてからも心を閉ざしています。ある日、ヨヌの面影を持つ巫女に出会います。記憶も名前もない彼女に月という意味の「ウォル」という名前を授けます。その後宮廷でも再会し、さらにウォルにヨヌの姿を重ねるようになり、何度も問いただします。一方、王の使命である跡継ぎをもうけるための営み(合房)も病を理由に避け続けます。

陽明君(ヤンミョングン)(チョン・イル/子役イ・ミノ)

成祖と禧嬪パク氏の間に生まれた庶子。陽明君も太陽を表す意味の名前を持ち、フォンとは異母兄弟の関係で、王位継承権をもっています。しかし、成祖から冷遇され政治から遠ざかり、遊び人を装いつつもその身分から権力目的に寄ってくる者も多く、その心中は複雑でした。陽明君の初恋の相手もヨヌ、届かないヨヌに対する想いを断ち切れず、そして亡くなった彼女に後悔の念を抱いています。ウォルにヨヌの面影を重ね、愛するようになりますが、いつしかウォルとしての彼女を愛し始めます。

ユン・ポギョン(キム・ミンソ/子役キム・ソヒョン)

領議政ユン・デヒョンの娘でありフォンの妃。幼いころ、ヨヌとともに、フォンの妹である旼花王女の学友として宮廷にあがり、ヨヌと世子嬪を争いますが、ヨヌの死によって王妃になります。ユン・デヒョン、大妃の指示で王妃になったように見え、プライドが高く計算高い女性ですが、実は一途にフォンの心を求め、愛されたいと思い続けています。しかし、フォンに受け入れてもらえない現実、巫女ウォルへの嫉妬心などからやがて心のバランスを崩していきます。

ホ・ヨム(ソン・ジェヒ/子役イム・シワン)

科挙の文科に首席で合格し、国の将来を担うと期待されていたヨヌの兄。かつてのフォンの教育係。ヨヌと父を失い、かねてより想いを寄せらていた旼花王女と結婚します。王女の夫は政治には関わることは許されていないため、王女と母と毎日静かに暮らしていますが仲良しだった妹の死が心の傷となっています。真面目過ぎて王女の気持ちに鈍感という面も持ち合わせていますが王女を愛する一途な夫です。

キム・ジェウン<ウン>(ソン・ジェリム/子役イ・ウォングン)

陽明君、ヨムの親友で科挙の武科に首席合格する。その後フォンの護衛官になりますが、陽明君とフォンがヨヌを巡って対立するようになると使命と友情の間で悩み始めます。王の寝所でフォンに触れようとした巫女ウォルを警戒し、剣に手を伸ばしかけたことも。いつもフォンの近くに仕え、女性の影もないため、陰で関係を噂されるほどフォンに対し、忠実に仕える武官で口数も少なくいつも冷静です。

大妃<大王大妃>ユン氏(キム・ヨンエ)

フォンの祖母で成祖の母。先代王の妃、先々代王の妃として長く宮廷を牛耳っています。大きな発言力を持ち、甥のユン・デヒョンらと外戚勢力を形成し、さらにその力を伸ばす機会を伺っています。目的のためには手段を選ばない残忍な性格で、かつて成祖の異母兄弟にも濡れ衣を着せて暗殺しています。ポギョンを王妃にするため旼花王女の恋心を利用し、ノギョンに命じてヨヌを呪い殺させます。

旼花<ミナ>王女(ナム・ボラ)

成祖の娘でフォンの実妹。何不自由なく育ったため、天真爛漫でわがままな面を持ちますが、一目ぼれしたヨヌの兄ヨムと結婚したい一心で結果的にヨヌを呪い殺す儀式に知らぬうちに手を貸してしまいます。ヨムと結婚した後は、その明るい性格がヨヌを失ったホ家の人々にとって光となり、癒しとなります。最後まで夫ヨムを心から愛する一途な女性です。

ユン・デヒョン(キム・ウンス)

宮廷で大きな力を持つ領議政で大妃の甥、そしてポギョンの父。大妃の指示のもと、成祖の異母兄弟ウィソン君暗殺にも関わり、その後も様々な策略、悪事に手を染め娘を王妃にすることを叶えますが、外戚勢力を警戒するフォンから距離を置かれ、対立し続け謀反を企てます。権力のある地位から引きずり降ろされた大妃でさえ、用済みになれば暗殺する真の外戚勢力の首領と言えます。

チャン・ノギョン(チョン・ミソン)

朝鮮最高の卓越した神力を持ち最高位の巫女、国巫を務める星宿庁(ソンスチョン)の巫女。廃止に追い込まれていた星宿庁を守るため仕方なく大妃に従い、親友の巫女アリから「守ってほしい」と託された幼いヨヌに呪術をかけます。その後で命をよみがえらせて彼女をそばで見守り続けます。一度は離れた国巫の任務ですが宮廷でフォンのそばにいるヨヌを守るために再びその職務に就きます。

作品に出てくる気になる用語

星宿庁や巫女の身分について(巫俗)

「太陽を抱く月」のストーリーや登場人物は架空のお話ですが、重要なカギを握る星宿庁も巫女も実在したものです。星宿庁は王室の安泰を祈り天気を祈るのが主な仕事で風水や予言、恨みを持った相手に災いをもたらすように神に祈る呪詛も行っていました。その時に神に祈る儀式を行うのが巫女で、ノギョンはその中でも朝鮮最高の巫女の地位でした。巫女は人々からあがめられる存在でしたがその身分は最下層でした。星宿庁は10世紀ごろ記録からは消えましたが、現代の韓国でも先祖の祭祀や病気の治癒祈願などで巫堂(巫女)を訪れる「巫俗」という民間信仰も根強く残っている文化です。

陽明君が役職が就けない理由

陽明君も王位継承者ですが弟のフォンとは違い、遊び人を装ったり活人署でヨヌと一緒に病気の人を助けたりしていました。なぜでしょうか?それは陽明君は、先王と側室の間に生まれた庶子だからです。世子以外の王の子供は、結婚すると同時に宮殿を出なければならず、その子孫は4代先まで科挙も受けられず官職にも就けない決まりになっていたからです。野心を持ち、王位を脅かすことを警戒しての政策でした。陽明君は未婚で兄弟としての絆も深いのですが、成祖が自分の異母兄弟が殺された悲劇を息子たちには味合わせたくない思いから、わざと陽明君を冷遇し遠ざけています。しかしその親心は陽明君には伝わらず、心の傷に加え、王の座もヨヌも手に入れた弟を羨む複雑な思いを抱えていました。

世子嬪(セジャビン)の仕組み

王の正式な後継者を世子、その妻を世子嬪(セジャビン)と呼びます。王妃になればその一族は正一品という地位を与えられ、外戚として権力を手にできるので一族の命運を担うといってもいいでしょう。世子嬪は、選ばれるまでにはいくつもの段階、試験があります。まず、貴族階級の家には婚礼禁止令が出て結婚適齢期の娘は処女単子とよばれる身上書のような書類を提出し審査を受け2、30人に絞り込まれ「揀擇」という面接を3度受けます。所作などを内命婦たちが御簾ごしに審査し5,7名ほどに絞られ、最終的には3人に絞られて「三揀擇」とよばれる王の前での最終審査を経て内定者が選ばれます。選ばれた内定者は50日間かけて王妃となる教育を受け、三揀擇まで進んでも選ばれなかった娘も王と結婚したと見なされ他へ嫁ぐことは許されないという厳しい決まりがありました。

観象監と子作りの仕組み(合房)

観象監とは、天文・風水や暦などを担当する官庁で現在の気象庁のような存在ですが、王室にとっては大変重要で、行事や儀式も観象監の決定や助言に基づいて行われます。
王室存続の上で重要な寝所を共にする日も観象監が示す相手、日取りに従って床入り(合房)が行われていました。雨や風、雷の日は避けるため、その日は限られていました。そのため、なかなか期日が決まらず王妃のボギョンは苛立つのでした。また、その日は年配の尚宮たちが寝ずに見守るのがしきたりとなっていました。

宮廷のしきたり。 王の妻は王が亡くなると寺院へ(側室の運命)

陽明君の母は王宮から出て浄業院にいますが、それもしきたりのひとつです。まだ陽明君が次期王の継承者であることから剃髪はしていません。王が亡くなるとその側室たちは、生きながらに葬られるという意味で出家させられ、尼として先王の冥福を祈りながら余生を静かに送るのです。一方、王妃は大妃になり大妃殿の中で暮らし権力も自分のものになり、その扱いは随分と違いがあります。

王室女性の証 鳳のかんざし

ヨヌが亡くなるとき、フォンから贈られた鳳簪(ポンジャム)を胸に抱いていますが、鳳簪は王妃など高貴な身分の女性がつけることを許された簪です。赤い太陽を白い月が抱いたモチーフの「太陽を抱く月」というそのままの名前の簪が出てきます。のちに「日月五峯図」から作られたもので、2本で一対になっていて一本はヨヌが王妃になった時にフォンが渡そうと所持しているとフォンがヨヌに話します。ちなみに王妃や大妃は龍簪をつけることが許され、身分によってつけられる簪も決まっていました。

義禁府での取りしらべ(捕盗庁と義禁府のちがい)

時代劇を見ていると、捕盗庁と義禁府がよく出てきて目を背けたくなるような取り調べや拷問が行われる場面に遭遇します。フォンがヨヌの死にまつわる事件をうやむやにされないよう捜査権を移した義禁府は王直属の機関で絶大な権力を持ち、国を揺るがす大きな犯罪や謀反を起こした者、貴族や王族までもが対象となります。一方、捕盗庁は窃盗や放火などの平民の犯罪を取り締まります。大逆罪の罪をかぶせられウォル(ヨヌ)が連れていかれたのも義禁府で、ヨヌの死の真相を調査をしたホン・ギュテは義禁府の都事です。

日食・月食に行われていた求触礼とは

現代では日食も月食もその仕組みは解明済ですが、昔は天が起こす事象で災いが起きたり天変地異のきっかけと考えられていました。ウォルがヨヌとしての記憶をすべて取り戻した日は皆既日食の日で、フォンは宮廷で日食の求蝕礼(クシンネ)の儀式を行っていました。日食は太陽である王が、月食は王妃がそれぞれ臣下とともに行う儀式で、ほかの儀式とは違い演奏も舞もなく質素な祭服でひたすら厳かに天に祈りを捧げます。

ヒョンソンが二人のために演奏していた伽耶琴

ようやく結ばれ、穏やかで幸せな日々を送るフォンとヨヌ。フォンがヨヌの誕生日に伽耶琴を振舞おうとして練習をしますが習得できず、代わりに館の外で名人並みの腕前で、ヒョンソンが得意げに伽耶琴を弾くシーンがあります。微笑ましい二人のバックに流れた琴の音はラストシーンをより盛り上げ、視聴者の心をつかみました。伽耶琴は韓国伝統音楽に欠かせない弦楽器です。日本にも奈良時代に新羅から渡ってきたものが今でも保存されています。韓国のカヤグムは今でも絹を使っていて低く重めで趣のあるやわらかい音が特徴です。

「太陽を抱く月」まとめ

いかがだったでしょうか?政権を狙う大人たちの「呪術」に巻き込まれた幼い二人の恋は、再会した後も数々の難関や罠が待ち受けています。恋のライバルや、家族愛、友情などは現代劇にも通じるものが多く、ファンタジー要素もあり時代劇の中では話数も20話と短めなので、私も時間をおいて何度も見ている作品です。皆様もぜひ何度も繰り返しご覧にいただけたらと思います。

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